せどり初心者の方にとってAmazon販売で始めて売上が出たときはうれしいですよね。
しかし、いざ入金額を口座確認したときに。
「売上と入金額が一致しない…」
と感じたことはないでしょうか。実は、Amazon販売の売上と銀行への振込額は一致しません。
これはAmazonの引当金という仕組みによるものです。
Amazon引当金って何?解除できないの?
と思いますよね。この記事では引当金の仕組みを説明し、入金を早める方法や、解除する方法について解説いたします。
引当金とは?
Amazon引当金とは、購入者からの返品や払い戻しが発生した場合にそなえて、売上の一部を自動的に一定期間留保される仕組みのことです。
例えば、Amazonで100万円の売り上げがある場合、手数料を引いて70万円くらいの入金があるはずです。
しかし、後でも触れますが、売り上げの50%が引当金として留保されます。
実際にあなたの口座に入金されるのは35万円となり、留保された35万円が引当金となります。
つまり
- 売上から手数料を引いた金額⇢70万円
- 実際の入金額⇢35万円
- 引当金⇢35万円
となります。
引当金の仕組みができた背景は、2017年にAmazonセラーアカウントの乗っ取りによる詐欺が頻発したことです。
Amazonは多額の損害を被ったため、対策の一つとして「引当金」制度が生まれました。
購入者からの払い戻し要請や返品申請が発生した場合、Amazonは引当金を利用して処理することによって損害を回避できる仕組みを作ったのです。
引当金はAmazonのルールとして、2016年8月15日以降の全てのアカウントに適用されることになりました。
ここ数年でAmazon販売を始めたセラーは、もれなく引当金の対象になっているということですね。
Amazonのルールなので仕組みを理解しましょう。
留保される割合と期間
2022年現在、Amazonの引当金は「売り上げの50%」が留保されます。
また、引当金として留保される期間は、購入者へ商品が配達されてから7日間となっています。
留保期間が終了した引当金は、次回の締め日の売上金と合算して入金されます。
引当金のルール
- 売上の50%が引当金になる
- 商品到着から7日間の留保期間がある
- 留保期間が終了して始めに来る〆日の次の支払〆に入金される
- 支払〆はアカウント登録日を基準に2回(11/1にアカウント登録したら初回の支払は15日)
計算むずかしそう…
カレンダーでイメージしましょう。
Amazon販売の売上金は、アカウント登録した日を基準に14日ごとで締め日として計算されます。
そして14日ごとに指定口座へ自動振り込みされます。
例えば上のカレンダーのように、2021年11月1日にアカウント登録した場合、初回の締め日は11月15日となります。
11月2日に10万円の商品が売れて、11月5日に購入者へ商品が配達完了したとします。
7日後の11月12日まで売上の50%の5万円が引当金として留保されます。
留保期間が終了した5万円は、次回の締め日11月29日の売上金と合算して入金されます。
よって、初回の締め日11月15日に入金されるのは5万円です。
続いて、2回目の締め日は11月29日となります。
11月17日に20万円の商品が売れて、11月23日に購入者へ商品が配達完了したとします。
7日後の11月30日まで売上の50%の10万円が引当金として留保されます。
留保期間が終了した10万円は、2回目の締め日をまたいだため4回目の締め日12月27日の売上金と合算して入金されます。
よって、2回目の締め日11月29日に入金されるのは15万円です。
同様に計算すると、3回目の締め日12月13日に入金されるのは0円、4回目の締め日12月27日に入金されるのは10万円となりますね。
カンタンに言い換えると、Amazon販売では商品が売れてから全額入金されるまで、約1か月~1か月半かかるということです。
メルカリ等と比較してキャッシュフローが悪くなりますので、資金ショートに注意しましょう。
もっと早く入金させることはできないの?
引当金の入金を早める2つの方法
引当金によるキャッシュフローの悪化を最小限にするために、入金を早める2つの方法を紹介します。
- 銀行ごとの入金日数の違いを意識
- 振込依頼を行う
銀行ごとの入金日数の違いを意識
Amazonに登録した銀行の種類によって入金完了までの日数に違いがあります。
入金先の見直しができるのであれば、最も早い みずほ銀行に切り替えましょう。
大手銀行の入金にかかる日数は以下の通りです。
- みずほ銀行:振込手続完了から1日程度
- PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行):振込手続完了から2~3日程度
- 楽天銀行:振込手続完了から3~4日程度
- 三菱東京UFJ銀行:振込手続完了から4日程度
- ゆうちょ銀行:振込手続完了から5日程度
振込依頼を行う
振込依頼を毎日行えば、7日間の留保を解かれた売上金を3~5営業日で口座に振り込みできます。
以下に、具体的な手順を簡単に解説します。
振込依頼の手順
①セラーセントラル・ホーム画面左上のメニューバーから、
『レポート』の『ペイメント』をクリックする
②『ペイメント』ページの『利用可能な資金』枠内の
『支払いをリクエスト』をクリックする
③『今すぐ振り込む』をクリックする
振込依頼は追加で手数料はかかりませんが、24時間に1回しかできません。
毎日決まった時間に振込依頼する習慣を身につけていきましょう。
振込依頼に手数料はかからないよ。
引当金を解除するたった1つの方法
引当金を解除するたった1つの方法とは、セラーパフォーマンスを向上させることです。
言い換えると、クレームを引き起こす行動を避けながら実績を積むことが大切なのです。
「そんなこと当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、細かいことを抜け目なく継続していくことが引当金を解除する唯一の近道なのです。
Amazonに認められる優良セラーを目指しましょう。
セラーパフォーマンスを上げるために一つ一つ見ていきます。
セラーパフォーマンスの向上方法
- 注文不良率を下げる
- 出荷遅延率を下げる
- 低評価率を下げる
- 販売実績を積む
注文不良率を下げる
レビューにマイナスの評価が投稿されないようにしましょう。
例えば、「新品を購入したはずなのに明らかに中古の商品が届いた」、「カタログとは別の商品が届いた」などのマイナスに評価されるようなミスを避けましょう。
出荷遅延率を下げる
商品を出品するときに出荷日数を設定します。
しかし、間に合わずに発送通知を送れなかった場合、出荷遅延とみなされてしまいます。
逆に出荷日数よりも短い期間で出荷することには何の問題もありません。
必ず対応できる日数で設定して、出荷遅延を起こさないようにすることが大切です。
低評価率を下げる
Amazonからの信頼を得るには、購入者から高評価を得ていることを証明しなければなりません。
購入者にレビューを記入してもらうために評価依頼メールを送りましょう。
出品者側から何のアクションもなければ、ほとんどの購入者はレビューを書いてくれません。
そこで、商品を購入してくれたすべての購入者に評価依頼メールを必ず送りましょう。
安定して販売実績を積む
FBAを活用して配送業務や在庫管理の自動化を図れば、適正かつ迅速に購入者に商品を届けることができるようになります。
出品プラン大口でFBA利用してカートボックスを獲得すること、スポンサープロダクト広告を導入することも売り上げの安定につながります。
結局のところ、Amazonから認めれるために大切なのことは、Amazonに気に入ってもらえるかどうかです。
全額引当金となるケース
極まれに全額が引当金となるケースが発生していることを耳にします。
セラーセントラルのホーム画面に「Amazonではアカウントが審査中のため、振込をキャンセルしています」と記載され、30日間のアカウント審査と審査中は入金が保留される旨のメールが届きます。
原因は売上が急激に上がってAmazonに不審に思われていることが挙げられます。
なにか悪いことしたかなぁ?
Amazonからアカウント審査の通知がきたときの対応は、一度テクニカルサポートに連絡して状況を確認することをおすすめします。
審査の処理を早めるための情報を求められれば、それに従って速やかに提出しましょう。
求められる情報は次の項目が挙げられます。
Amazon審査の処理を早めるための情報
- 出品開始時期または取引の期間
- 在庫の調達元
- Amazonでの月間予想売上額
- 出荷可能な状態の商品数
- 販売元の住所
- 他店舗で出品しているウェブサイトのURL
- 直近の出荷商品追跡情報
審査というとちょっと驚きますよね。ですが、私の指導先における通過率は100%なのでご安心ください。審査に通過するまで、1~2か月くらいかかるので焦らず気長に待ちましょう。
落ち着いて対応しようね。
まとめ
ここまでのまとめ
- 引当金とは?
- 留保される割合と期間
- 引当金の入金を早める2つの方法
- 引当金を解除するたった1つの方法
- 全額引当金となるケース
引当金を理解したうえで、セラーパフォーマンスを向上させていくことが大切です。
コツコツと実績を積んで、引当金が解除される可能性を大きくしていきましょう。